ドイツで子育てを始めると、かなり早い段階で気になるのが「Kitaはいつから探せばいい?」「1歳から本当に入れる?」「いくらかかる?」という問題です。
日本の保育園と似ているところもありますが、実際には申込方法、施設の種類、慣らし保育、料金の仕組みなど、かなり違うところがあります。
しかもドイツでは、住んでいる州・市町村によって申込方法や料金が大きく変わるのが少しややこしいところです。

Kitaは「1歳になってから探せばいい」と思わない方がいいです。預けたい時期が決まったら、まず自分の自治体の申込方法を確認しておくのがおすすめですよ。
先に結論:Kita探しはこの順番で進めればOK
① 何歳から・週何時間預けたいか決める
② 自治体の保育申込制度を確認する
③ 通える範囲の施設を複数探す
④ 見学して開園時間・教育方針・食事などを確認する
⑤ できるだけ早く複数候補へ申し込む
⑥ 入園が決まったら予防接種など必要書類を準備する
⑦ 数週間程度の慣らし保育を見込んで仕事復帰を計画する
ドイツのKita、日本の保育園・幼稚園と何が違う?
まず、日本の「保育園」「幼稚園」という区分をそのままドイツに当てはめない方が分かりやすいです。
Kitaは保育施設全体を指す言葉
Kindertagesstätte(保育施設、通称Kita)は、ドイツで子どもの日中保育施設を広く指す言葉です。
0〜3歳向け、3歳以降向け、年齢混合型などさまざまな施設があります。
日本語で「保育園」と訳されることが多いですが、必ずしも日本の認可保育園と同じ制度ではありません。
単に「預かる場所」ではなく教育の場でもある
ドイツの法律では、保育には教育・育成・保育の3つが含まれています。
社会性、感情、身体、知的発達などを支えることも保育施設の役割です。
そのため、
- 自由遊び
- 工作
- 歌
- 外遊び
- 友達との関わり
- 自然体験
- 言葉や生活習慣
などを通して、子ども自身の成長を促すことが重視されています。
公式情報:ドイツ社会法典「保育の目的」
雨や寒い日でも外で遊ぶことが多い
日本から来ると驚きやすいのが、外遊びです。
ドイツでは天気が多少悪くても外で遊ぶ施設が多いため、
- レインパンツ
- レインジャケット
- 長靴
- 冬用の防寒着
- 汚れてもいい服
などを施設に置いておくことも珍しくありません。
「服を汚さないように遊ぶ」というより、汚れてもいい服を用意して思い切り遊ばせるという感覚に近いです。
慣らし保育をかなり丁寧に行う
もう一つ大きな違いが、Eingewöhnung(慣らし保育)です。
最初から子どもを置いて帰るのではなく、初めは親も一緒に施設で過ごし、その後少しずつ親が離れる時間を増やしていきます。
子どもの様子を見ながら進めるので、数週間かかることもあります。
保育開始日=フルタイムで仕事復帰できる日ではないことは、かなり重要です。
外国人向け参考:Handbook Germany「Childcare in Germany」
ドイツの保育にはどんな種類がある?
「Kitaを探す」といっても、実際にはいくつか選択肢があります。
0〜3歳ならKrippe
Kinderkrippe(0〜3歳向け保育)は、主に3歳未満の子どもを対象とします。
日本でいう乳児・低年齢児向け保育に近いイメージです。
施設によっては0歳から受け入れますが、何か月から受入可能かは施設ごとに異なります。
3歳頃からはKindergarten
Kindergarten(3歳頃から就学前までの保育)は、主に3歳以上の子どもが通います。
英語にもなった「Kindergarten」という言葉ですが、日本の幼稚園と完全に同じではありません。
午前だけの施設もあれば、午後まで預かる施設もあります。
家庭的保育という選択肢もある
Kindertagespflege(家庭的保育)も、ドイツでは正式な保育制度の一つです。
Tagesmutter / Tagesvater(家庭的保育者)と呼ばれる保育者が、自宅や専用スペースなどで子どもを預かります。
特に3歳未満では、保育施設と並んで法的な保育の選択肢になっています。
大規模な施設より家庭的な環境を希望する家庭には、こちらが合うこともあります。
公立・民間・教会系・バイリンガルなど運営主体もさまざま
ドイツの保育施設には、自治体運営だけでなく、
- 教会系
- 福祉団体
- 民間事業者
- モンテッソーリ
- ヴァルドルフ
- バイリンガル
- インターナショナル系
- 障害のある子どもと一緒に過ごすインクルーシブ型
などがあります。
教会系だからといって、必ずその宗派の家庭でなければ申し込めないわけではありません。ただし、礼拝や宗教行事などが保育内容に含まれる場合があります。
外国人向け参考:IamExpat「Childcare in Germany」
Kitaは何歳から?1歳になれば必ず入れる?
ここはドイツの保育制度で最も重要なポイントです。
1歳未満でも条件を満たせば保育を受けられる
1歳未満でも、一定の条件を満たす場合は保育施設や家庭的保育を利用する権利があります。
たとえば保護者が、
- 働いている
- 仕事を始める予定
- 求職中
- 職業訓練中
- 学校・大学に通っている
場合などです。
そのため、「ドイツでは1歳未満は絶対に預けられない」というわけではありません。
1歳から3歳までは保育を受ける法的権利がある
子どもが1歳になると、3歳になるまで、保育施設または家庭的保育を利用する法的権利があります。
これは2013年から全国で認められています。
共働きでなければ使えない、という制度ではありません。
3歳から就学までは保育施設への権利がある
3歳になってから小学校へ入るまでの子どもには、保育施設で保育を受ける法的権利があります。
ただし、ここで注意したいのが、
「法的権利がある」=「希望した園に必ず入れる」ではありません
法律で保障されているのは保育を受ける権利です。人気園、バイリンガル園、自宅のすぐ近くの園など、自分が第一希望にした特定の施設へ必ず入れるという意味ではありません。
公式情報:ドイツ連邦政府「乳幼児の保育」 / 社会法典第8編24条

「1歳から権利があるから、その頃に申し込めばいい」という意味ではないんです。権利があることと、希望の園に空きがあることは別なので、探すのは早めがおすすめです。
Kitaはいつから探す?申込方法は?
ドイツには、全国共通の保育申込サイトや全国共通の申込期限はありません。
自治体や施設によって方法が違います。
利用したい時期が決まったら、まず自治体のサイトを確認
最初に、自分が住んでいる市町村の公式サイトで、
- Kita
- Kinderbetreuung
- Kita-Anmeldung
- Kita-Portal
などで検索します。
自治体によってはオンラインの中央申込システムがあり、希望する施設を複数登録します。
一方、民間施設などでは施設へ直接申し込むこともあります。
都市部なら出産後すぐに動いても早すぎない
地域によって空き状況は大きく違います。
空きに余裕がある地域もありますが、大都市や人気エリアでは希望どおりの場所を確保するのが難しいことがあります。
Handbook Germanyも、保育を利用する予定がある場合はできるだけ早く、目安として出生後すぐに申し込みを始めることを勧めています。
私立や人気施設では妊娠中から問い合わせを受け付けるケースもあります。
第一希望だけでなく複数候補を出す
第一希望の施設だけに絞るより、実際に通える範囲で複数候補を持っておく方が現実的です。
特に、
- 自宅から近い
- 職場への通勤途中
- 開園時間が仕事に合う
- 家庭的保育も候補にする
というように少し範囲を広げて考えてみると選択肢が増えます。
参考:Handbook Germany「Kitaの探し方・申込方法」
Kitaは何を基準に選べばいい?
空きがあるかはもちろん重要ですが、毎日通う場所なので、可能なら見学してから選びたいところです。
開園時間と通いやすさを最優先で確認
まず確認したいのは、現実的に毎日送迎できるかです。
- 何時から預けられる?
- 何時までに迎えに行く?
- 週何時間の契約?
- 金曜日だけ早く閉まらない?
- 夏休みなどの休園期間は?
- 自宅・職場から何分?
を確認します。
「評判が一番いい園」より、毎日の送迎と仕事の時間に無理がない園の方が長期的には使いやすいことも多いです。
教育方針と園の雰囲気を見る
施設によって教育方針はかなり違います。
- 自由遊び中心?
- モンテッソーリ?
- 森や自然活動が多い?
- 音楽に力を入れている?
- バイリンガル?
- 宗教行事はある?
ウェブサイトの説明だけでは分からないことも多いので、見学できるならスタッフや子どもたちの雰囲気を見るのがおすすめです。
食事・昼寝・おむつについても確認
毎日の生活に関わる部分も重要です。
- 朝食は持参?
- 昼食は出る?
- アレルギー対応は?
- ベジタリアン・豚肉なしなどに対応できる?
- おむつは持参?
- 昼寝はどのようにする?
などを聞いておきましょう。
ドイツ語がまだ話せない子でも大丈夫?
外国人家庭の場合、言葉も気になりますよね。
ドイツ語を話さない子どもを受け入れている施設は珍しくありませんし、バイリンガル施設もあります。
見学時には、
- 外国語を話す家庭は多い?
- スタッフは英語を話せる?
- ドイツ語が分からない子へのサポートは?
などを聞いてみると安心です。

私は「人気ランキング」より、送迎時間・先生の雰囲気・慣らし保育・休園日をしっかり見ます。毎日使うので、この4つはかなり大事です。
入園が決まったら何を準備する?
面談と必要書類を準備する
入園が決まると、施設との面談が行われることが一般的です。
施設によりますが、
- 子どもの健康診断手帳
- 予防接種記録
- 出生証明書
- 連絡先
- アレルギー・持病に関する情報
などを求められることがあります。
1歳以上は麻疹の予防接種証明が重要
ドイツでは、保育施設へ入る子どもには麻疹対策の法律があります。
1歳以上の子どもは、原則として麻疹の予防接種1回または免疫があることを証明する必要があります。
2歳以上では、原則として2回の予防接種または免疫の証明が必要です。
1歳未満の子どもは、この証明がなくても入園できます。
予防接種手帳などで確認されるので、入園前に小児科と接種状況を確認しておきましょう。
公式情報:ドイツ連邦保健省「麻疹対策法Q&A」
仕事復帰より前に慣らし保育を始める
入園初日から通常の保育時間で預けられるとは考えない方がいいです。
最初は親と一緒に過ごし、子どもがスタッフや場所に慣れてから、少しずつ離れる時間を長くしていきます。
子どもの状態に合わせて進めるため、予定どおりに進まないこともあります。
仕事復帰を予定しているなら、復帰日の数週間前から余裕を持って保育を開始する計画がおすすめです。
ドイツのKitaはいくら?費用は地域で大きく違う
「ドイツのKitaはいくら?」には、全国共通の答えがありません。
料金は州・自治体・保育時間・所得などで変わる
保育料は、主に、
- 住んでいる州・自治体
- 子どもの年齢
- 保育時間
- 世帯収入
- きょうだいの人数
- 公的施設か私立施設か
などによって変わります。
州や自治体によっては全部または一部の保育料が無料ですが、全国一律で無料ではありません。
住んでいる自治体の料金表を必ず確認してください。
保育料が無料でも食事代などがかかることがある
「Kita無料」と書かれていても、完全に0ユーロとは限りません。
昼食代、追加プログラムなどが別途必要になることがあります。
私立やインターナショナル系は、公的に助成される施設より高くなる場合があります。
外国人向け参考:Handbook Germany「Kitaの費用」
保育費は税金から控除できる
これは意外と見落としやすいポイントです。
2026年現在、条件を満たす子どもの保育費について、支払った費用の80%、子ども1人につき年間最大4,800ユーロまでを特別支出として所得税計算上控除できます。
対象年齢は原則として14歳未満です。

Kita代を払っているなら、確定申告で忘れないようにしてください。年間最大4,800ユーロまで控除対象になるので、意外と大きいですよ。
勤務先の保育補助も確認しよう
駐在・現地採用を問わず、勤務先の福利厚生も一度確認してみる価値があります。
ドイツでは、就学前の子どもの保育費について、一定の条件を満たす会社からの追加的な保育補助は非課税にできる制度があります。
会社によっては「Kindergartenzuschuss」「Kita-Zuschuss」などの名称で補助を出していることがあります。
制度があるかどうかは勤務先次第なので、人事に確認してみましょう。
公式情報:所得税法3条33号「雇用主による就学前児童の保育補助」
Kitaが見つからないときはどうする?
まず自治体のJugendamtに相談する
Jugendamt(青少年局)は、子どもや家庭を支援する自治体の窓口です。
希望する保育開始時期までに場所が見つからない場合は、青少年局へ相談しましょう。
1歳以上の子どもには法的な保育の権利があるため、
- いつから保育が必要か
- 何時間必要か
- これまでどこへ申し込んだか
を整理して伝えるのがおすすめです。
やり取りは、後から確認できるようメールや書面でも残しておくと安心です。
家庭的保育も候補にする
希望する保育施設に空きがなくても、3歳未満なら家庭的保育という選択肢があります。
1〜3歳の法的な保育の権利は、保育施設だけでなく家庭的保育でも満たすことができます。
「Kitaでなければ」と最初から絞らず、家庭に合う選択肢を青少年局へ相談してみるとよいでしょう。
それでも法的に必要な保育場所を確保できない場合は、専門の相談窓口や法律家への相談も選択肢になります。
入園前に確認するチェックリスト
| 項目 | チェック |
|---|---|
| 自治体の申込方法を確認 | ☐ |
| 希望する保育開始日を決める | ☐ |
| 必要な保育時間を決める | ☐ |
| 複数の施設を候補にする | ☐ |
| 見学・説明会へ行く | ☐ |
| 開園時間・休園日を確認 | ☐ |
| 食事・昼寝・おむつを確認 | ☐ |
| 慣らし保育の進め方を確認 | ☐ |
| 保育料・食事代を確認 | ☐ |
| 麻疹の予防接種証明を確認 | ☐ |
| 仕事復帰とのスケジュールを調整 | ☐ |
| 保育費の税控除を忘れない | ☐ |
| 勤務先の保育補助を確認 | ☐ |
ドイツのKitaについてよくある質問
Kitaは何歳から入れる?
施設によっては1歳未満から入れます。1歳未満でも保護者の就労・求職・教育など一定の条件を満たせば、保育を受ける権利があります。1歳以降は全国的に法的な保育の権利があります。
1歳になれば必ず希望のKitaに入れる?
いいえ。1歳から保育を受ける法的権利はありますが、第一希望の施設や特定の人気園に必ず入れるという意味ではありません。
Kitaはいつ申し込めばいい?
全国共通の期限はありません。自治体ごとに仕組みが違うので、預けたい時期が決まったらすぐ自治体の申込方法を確認しましょう。空きが厳しい地域では出生後すぐ、施設によっては妊娠中から情報収集を始めても早すぎません。
Kitaはいくらかかる?
州・自治体・子どもの年齢・保育時間・所得・きょうだい数などによって異なります。無料または大きく助成される地域もありますが、全国一律ではありません。食事代などが別途必要になることもあります。
Kitaに入るには麻疹ワクチンが必要?
1歳以上では、原則として麻疹の予防接種または免疫の証明が必要です。1歳以上2歳未満では1回、2歳以上では2回の予防接種が基本です。医学的に接種できない場合などには例外があります。
慣らし保育はどのくらいかかる?
子どもや施設によって異なりますが、数週間を見込んでおくのがおすすめです。子どもの様子を見ながら少しずつ親が離れる時間を延ばしていくため、予定より長くなることもあります。
ドイツ語が話せなくてもKitaに通える?
外国語を家庭言語とする子どもも通っています。施設によって外国人家庭への対応やスタッフの英語力は違うので、見学時に確認しておくと安心です。バイリンガル施設もあります。
英語でドイツのKita制度を調べるなら?
Handbook GermanyとIamExpatは、外国人家庭が知りたい申込方法、施設の種類、費用などを英語でよく整理しています。
ただし、実際の申込方法と料金については住んでいる自治体の公式情報を最優先してください。
まとめ|ドイツのKitaは「早めに探す・複数候補・慣らし保育」がポイント
ドイツの保育制度は、一度仕組みが分かればそれほど複雑ではありません。
- 1歳から保育を受ける法的権利がある
- 3歳未満は保育施設だけでなく家庭的保育も選べる
- 申込方法・費用は自治体によってかなり違う
- 希望の施設に必ず入れるとは限らない
- 空きが厳しい地域では早く動く
- 入園後は数週間の慣らし保育を見込む
- 1歳以上では麻疹の予防接種証明にも注意する
- 保育費は確定申告で控除できる

まずは「いつから・何時間預けたいか」を決めて、住んでいる市のKitaページを確認してみてください。そこまで分かれば、あとは候補を一つずつ見ていけば大丈夫ですよ。
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この記事で参照した主な情報
- ドイツ連邦政府:乳幼児の保育
- ドイツ連邦政府:子どもの保育
- 社会法典第8編22条:保育の目的
- 社会法典第8編24条:保育を受ける権利
- ドイツ連邦保健省:Kitaと麻疹予防接種
- ドイツ連邦財務省:2026年の保育費控除
- 所得税法:雇用主による保育補助
- Handbook Germany:Childcare in Germany
- IamExpat:Childcare in Germany
※保育施設の申込方法、保育料、受入年齢、開園時間、優先順位などは州・自治体・施設によって異なります。実際に申し込む際は、お住まいの自治体および希望施設の最新情報を確認してください。税務上の取扱いについても、個別の状況によって異なる場合があります。

