ドイツで生活するうえで欠かせないのが健康保険です。
日本人が最初に戸惑いやすいのは、ドイツでは「公的保険に入る」といっても、TK、AOK、BARMER、DAKなど加入する保険組合を自分で選べることです。

会社員だから「会社指定の保険」に自動で入るわけではありません。公的保険の対象なら、自分でTKなどを選べます。ドイツ語が不安なら、英語で比較・加入できるサービスを使う方法もありますよ。
2026年1月時点で、公的健康保険の加入者はドイツ全体で約7,420万人。ドイツでは圧倒的に公的保険が中心です。
まず、自分がどのタイプか確認しよう
| 状況 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 会社員・年収77,400€以下 | 原則として公的保険 |
| 会社員・年収77,400€超 | 条件を満たせば公的保険継続または私的保険 |
| 一般的な大学生・30歳未満 | 学生向け公的保険が基本 |
| 30歳以上の学生 | 任意公的保険・私的・Expat保険などを個別検討 |
| ワーホリ | ビザ要件を満たすIncoming/Expat保険を検討 |
| フリーランス | 加入歴・収入などにより公的・私的・Expatを検討 |
| 公的保険加入者の配偶者・子ども | 条件を満たせば無料の家族保険が可能 |
健康保険は在留資格、雇用形態、年齢、過去の保険加入歴などによって扱いが変わるため、迷う場合は加入前に確認してください。
会社員なら、基本的には公的保険
2026年は、会社員で月603ユーロを超え、年収が77,400ユーロ以下の場合、原則として公的健康保険への加入義務があります。
年収が77,400ユーロを超える一定の会社員は、公的保険を任意で続けるか、私的健康保険へ移る選択肢が出てきます。
TK・AOK・BARMER・DAKは自分で選べる
公的健康保険の基本給付は法律で定められているため、大部分は共通しています。
一方で、
- 追加保険料
- 英語サポート
- アプリ
- ボーナス制度
- 歯科・妊娠などの追加給付
- 窓口の多さ
には違いがあります。
連邦保健省も、追加保険料、サービス、追加給付、ボーナス制度などを比較して選ぶことを案内しています。
日本人ならTKはかなり選びやすい
日本人を含む外国人に使いやすい選択肢の一つがTK(Techniker Krankenkasse)です。
- 英語サイトあり
- 英語の電話サポートあり
- デジタルサービスが充実
- 学生にも利用者が多い
2026年のTKの追加保険料率は2.69%です。
公的保険全体の2026年平均追加保険料率2.9%より少し低い水準です。
「ドイツ語がまだ得意ではないので、公的保険をできるだけ分かりやすく使いたい」という人には有力です。
BARMER・AOK・DAKも普通に選択肢
もちろんTKだけが正解ではありません。
BARMERも英語サポートが比較的充実しています。2026年の健康保険料率は追加保険料を含めて17.89%です。
AOKは地域ごとに運営主体が分かれており、対面窓口を利用したい人には便利です。
DAKも全国規模の公的健康保険です。
公的保険の基本的な医療給付は共通なので、「有名だから」という理由だけではなく、追加保険料・英語対応・アプリ・追加サービスを比較しましょう。
学生はいくら?
大学生には学生向けの保険料があります。
TKの場合、2026年は健康保険が月110.38ユーロです。
これに介護保険が加わり、23歳以上・子どもなしの場合は月35.91ユーロなので、合計は月146.29ユーロです。
23歳未満または子どもがいる場合は介護保険額が異なります。
学生向け公的保険は通常30歳までが基本なので、30歳以上で留学する人は別途確認が必要です。
Featherなら英語で健康保険を比較・加入できる
「TKには入りたいけれど、ドイツ語での手続きが不安」という人に便利なのがFeatherです。
Featherは外国人向けにドイツの保険加入をサポートする保険プラットフォームで、公的健康保険では、
- TK
- BARMER
- AOK
- DAK
を扱っています。
申込みはオンラインで完結し、Feather側の手続きを英語で進められます。
公的健康保険への加入について、Feather利用者側に追加の利用料はかかりません。
Featherはドイツ政府のサービスではありませんが、ドイツの公的健康保険各社と提携して加入手続きを扱う保険仲介プラットフォームです。

ワーホリ・渡独直後ならExpat Healthという選択肢もある
ワーキングホリデー、語学留学、研究滞在、フリーランスなどでは、すぐに通常の公的保険へ加入できないケースがあります。
Featherには、そうした新規渡航者向けのExpat Health Insuranceもあります。
2026年現在、基本プランは月約72ユーロからで、ワーホリ、学生、家族呼び寄せ、求職など、さまざまな初回ビザ向けの保険証明に対応すると案内されています。
ただし、これは通常の公的健康保険と同じものではありません。
- 補償内容が公的保険より限定的
- 既往症などに制限がある
- 新規渡航者向けプランには原則5年という期間上限がある
ため、長期的にドイツで働き、公的保険へ加入できる状態になったら、公的・通常の私的健康保険への移行も検討しましょう。

ここも銀行と同じです。渡独直後の「つなぎ」と、長期的に使う保険を分けて考えると分かりやすいですよ。
配偶者・子どもは無料になることもある
公的健康保険では、一定の条件を満たす配偶者や子どもを追加保険料なしで家族保険に入れられる制度があります。
家族でドイツへ移住する人にとっては、私的健康保険との比較で特に重要なポイントです。
公的と私的、どちらがいい?
高所得の会社員や自営業者など、私的健康保険を選択できる人もいます。
ただし、単純に「私的保険の方が高級だからおすすめ」とは言えません。
| 公的保険 | 私的保険 | |
|---|---|---|
| 保険料 | 主に収入に連動 | 年齢・健康状態・プラン等で決定 |
| 家族 | 条件により無料家族保険 | 原則1人ずつ保険料 |
| 加入 | 加入資格があれば原則受入 | 健康審査等あり |
| 長期的な判断 | 比較的シンプル | 将来の保険料も考える必要あり |
特に家族がいる人や、長くドイツに住む予定の人は、目先の月額だけで決めないようにしてください。
迷ったら、まず公的保険を基準に考える
一般的な会社員・学生なら、まず公的健康保険を基準に考えると分かりやすいです。
そのうえで、
- 英語対応重視 → TK・BARMERなど
- 英語で加入手続きを済ませたい → Feather
- ワーホリ・渡独直後 → Expat Healthも確認
- 高所得会社員・自営業者 → 私的健康保険も比較
と考えればよいでしょう。
ドイツ生活を始める順番
健康保険だけを単独で考えると複雑に感じます。
ドイツへ移住する場合は、
- 住民登録できる住居を確保
- 住民登録
- ドイツ電話番号
- 最初の銀行口座
- 健康保険を完成
という順序で一つずつ整えていけば大丈夫です。
参考資料
- Bundesministerium für Gesundheit「Versicherte in der gesetzlichen Krankenversicherung」
- Bundesministerium für Gesundheit「Beiträge der gesetzlichen Krankenversicherung 2026」
- Bundesministerium für Gesundheit「Wahl und Wechsel der Krankenkasse」
- Techniker Krankenkasse「Beiträge 2026」「Student health insurance」
- BARMER「Beiträge 2026」
- Feather公式 Public Health / Expat Health

